炭火の魔術師が一本に込める職人の魂、焼き鳥の芸術

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知人の紹介で初めて伺ったのが2020年7月。初回は和食の有名店からの2次会として訪れたのですが、焼き鳥があまりにも美味しく、お腹がいっぱいにもかかわらず1人前分の串を注文してしまいました。それ以来、このお店に惚れ込んでいます。特に、オーナーの武田吾一さんが焼き上げる一本一本の串には職人技が光り、訪れるたびに新たな感動を与えてくれます。

普段は黙々と焼き鳥を焼いているオーナーですが、つい気になって声を掛けてしまい、時には一緒に飲もうと誘うこともあります(毎回断られますが……)。それでも、このやり取りも含めて毎回楽しい時間を過ごしています。気づけば、今回が9回目の訪問でした。

焼きながらすべての材料を試食し、素材の状態や味、焼き加減を確認する徹底した姿勢が感じられます。目や耳で鶏肉の状態や炭の音を確認し、指で直接温度を確かめる繊細な技術によって、それぞれの串が完璧に仕上げられています。さらに、部位や仕上げに応じて七味を掛けたり、塩や胡椒を使い分けるなど、味付けにも工夫が施されています。この丁寧な作業が、一串一串に深みと個性を与えています。

つい料理に目が行きがちですが、店内には一枚板のケヤキのテーブルやアートが配され、内装からトイレに至るまで、隅々にまでこだわりが感じられます。

最初に提供されるむね肉は、一皿の中に繊細さと豪華さを兼ね備えた特別な一品です。絶妙なレア加減で焼き上げられた胸肉は、中心がほんのりピンク色に仕上がり、しっとりとした食感と鶏本来の旨味を存分に楽しめます。表面には香ばしい焼き目がついており、炭火ならではの芳醇な香りが広がります。添えられた塩と生姜は、シンプルながらも肉の美味しさを最大限に引き立てる名脇役です。また、特製のタレを少しつけることで、さらなる深みと旨味が加わり、一皿でさまざまな味の変化を楽しむことができます。盛り付けもまた美しく、目でも楽しめる一品です。シンプルでありながらも、細部にまで行き届いたこだわりが感じられます。

はつもとの串は、その独特の弾力とコリコリとした食感が魅力。2種類の薬味が添えられており、山椒を使ったスパイスミックスは味にアクセントを与え、黄色いからしソースは濃厚な風味で深みを加えます。好みに応じて使い分けることで、さらに多彩な味わいが楽しめます。

器もまた印象的で、葉の模様を模したデザインが和の趣を感じさせつつ、モダンな雰囲気を演出しています。見た目にも楽しませてくれる盛り付けは、このお店ならではのこだわりです。その他での注文でもとにかくディテールへのこだわりが素晴らしく、たとえば鶏の梅しそささみは、しそと梅がささみに巻かれて隠されており、食べるまでその中身に気づかないほどの工夫が凝らされています。

今回も焼き鳥の串をたくさん楽しんだ後の締めにスープ茶漬け。最後までこだわり抜かれており、お米の量までしっかり計測して焼きおにぎりを仕上げてくれます。とにかくディテールへのこだわりが素晴らしく、たとえば鶏の梅しそささみは、しそと梅がささみに巻かれて隠されており、食べるまでその中身に気づかないほどの工夫が凝らされています。

常に焼き場の炭と鶏肉の状態を確認しながら、お客さんの様子を見て提供のタイミングを計るサービスは非常に行き届いています。そのホスピタリティには、まさにプロフェッショナルの極みを感じます。大阪のお店で、いつでも行けるわけではありませんが、焼き鳥を食べるためだけに大阪に行く価値があります。また、来年早々に伺いたいと思います!

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この記事を書いた人

ryoのアバター ryo 何でも屋

10年間にわたるフィリピン滞在を経て、上智大学・比較文化学部を卒業。学生時代から様々な事業の立ち上げに携わり、サラリーマン、起業、国内+外資系企業社長、取締役、顧問、株主などをスタートアップ及び上場企業で経験。

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