昨年に続き、今年も上智大学経済学部経営学科のカプツルキェヴィッチアガタ助教授(Agata Kapturkiewicz)よりお招きいただき、「Entrepreneurship 1」のクラスに登壇しました。このクラスでは、起業の基礎、プロセス、そして文脈について学びます。講義は英語で行われますが、日本人学生が半数以上を占め、多くの学生が将来的に起業を視野に入れているのが印象的でした。前回の講義では、自己紹介を皮切りに起業体験談をお話ししましたが、成功体験ばかりが強調されてしまい、いわゆる「成功者」として誤解を招いてしまったことを反省しました。この経験を踏まえ、今回は特に私自身の失敗経験に焦点を当ててお話ししました。
起業は多くのリスクを伴う挑戦です。しかし、成功を掴むためには情熱、忍耐、チームワーク、アイデア、そして実行力が必要不可欠です。その道のりは決して平坦ではありませんが、私はこれまで2回の起業を通じて多くの学びと成長を得ることができました。これを振り返ると、挑戦して本当に良かったと心から感じています。私の起業の原点は、学生時代に遡ります。当時、インキュベーション事業を展開するジェイ・シードでインターンとして働き、多くの貴重な経験を積む機会を得ました。複数の事業立ち上げや投資先の支援といった幅広い業務を通じ、様々な領域での事業経験を積ませてもらいました。この実践的な経験が、卒業からわずか3年で起業を実現する原動力になったのだと思います。実は、その後3度目の起業に向けて動いていた時期もありました。しかし最終的には、M&A業務を通じた新たな挑戦を選び、現在は株式会社ベクトルに参画しています。これからも、新しい挑戦で得た学びや経験を共有し、未来の起業家たちの力になれればと思っています。
余談ですが、講義中に学生さんとお話ししている中で、ベクトルの子会社であるPR Timesの認知度が非常に高いことに気づきました。一方で、ベクトル本体の認知度はほとんどなく、少し寂しい気持ちに。そこで、会社説明をしっかりと時間を取ってさせていただきました(笑)。これを機に、ベクトルの取り組みや強みについても学生さんに広く知ってもらえたら嬉しいです。
上智大学の3号館前には、大きな「Sophia University」の英語ロゴが設置されていて、印象的でした!久しぶりに母校を訪れると、学生時代からキャンパスが随分とアップグレードされていて、とても新鮮な気持ちになりました。
そして、最後に少し感想を。今回の登壇を通じて、多くの学生さんから事業プランが送られてきたり、POC(Proof of Concept)の進め方についての相談を頂きました。皆さんの情熱や熱意を肌で感じることができ、登壇した甲斐があったと強く実感しています。上智から起業家がどんどん生まれる未来を想像するだけでワクワクします。ぜひ、勇気を持って起業に挑戦し、この熱意を形にしていってほしいと願っています!